◆天皇賞(春)、オルフェーヴルが力を出せなかった理由
先週の天皇賞(春)、オルフェーヴルが力を出せなかった理由。まぁいろいろと言われていますが、 ラップギア なら簡単に説明が付きます。 「△3△6△2」 の 消耗戦だったから。オルフェーヴルは脚を貯める場面もなく、なし崩し的に脚を使わされることになったから。同じ流れ、同じ位置取りならディープインパクトでも同じような結果になっていたはずです。
菊花賞では3コーナーですでに先頭とは4馬身の位置に付けていました。その菊花賞、先行で好走した(5着)サダムパテックとの差は、その時点で3馬身ほど。そしてオルフェーヴルが菊花賞で最終的にサダムパテックに付けた差は約6馬身。3コーナーの位置取りから換算して、3馬身+6馬身で都合9馬身ぐらいか。
しかし今回の天皇賞(春)、3コーナーでビートブラックとの差はざっと見積もって30馬身ほど。たとえばビートブラックが菊花賞サダムパテックぐらいの走りを見せるなら、オルフェーヴルがどれだけの脚を使おうとも届く道理がないということになります。
予想文にも書いたのですが、 「能力的に強い」 ということと 「死角、弱点がない」 ということは同列に考えてはなりません。阪神大賞典でナムラクレセントを交わして先頭に立った時、そのままロングスパートの形に持って行ったとして、それでも勝てていたのか? あの歴史的アクシデントがなくてもオルフェーヴルが負けていた可能性、それについて考えた人はあまりいないように感じていました。
■天皇賞(春)2012 ラップタイム
13.0-11.6-11.3-11.7-12.4-11.9-11.9-12.7-12.7-12.7-12.1-11.9-11.4-11.7-12.3-12.5
ラップギア △3△6△2 消耗戦
しかしビートブラックには恐れ入りましたね。単勝1.3倍の馬が折り合いに専念して最後方、他馬陣営の意識が4コーナー手前まで後ろに向いていたことがあるにしても、道中一度も緩まない、決してスローではないペース。それでいてラストの2ハロンを12秒台でまとめたのは立派なことでしょう。
「12秒3−12秒5」 、もしこれが 「12秒5−13秒1」 だったらゴールデンハインドのように後続に飲み込まれていたわけで、20年ほど前までのステイヤーを髣髴とさせるラップタイム。サンデーサイレンス産駒の登場以前、春の天皇賞はスタートからゴールまで、ほとんどずっと 12秒0 〜 12秒5 が続く感じのラップタイムでした。
後続は後続でスローペースの競馬をし、さらに1番人気オルフェーヴルは瞬発馬が一番やってはいけないロングスパートで末脚を失くす形。阪神大賞典で最後 ギュスターヴクライと同じ脚色になってしまった辺り、オルフェーヴルが末脚に持続力のある馬でないことは明白でした。末脚に持続力のある馬なら阪神大賞典はもっと際どい勝負、あるいは勝てていたはずですし、逆に3歳時は瞬発力不足で勝てていないG1があった可能性も。
適性とはそういうもの。
結局、大逃げの形になった2頭に、後続が幻惑されっぱなしだったということですね。ゴールデンハインドとビートブラックが、決してペースが速くはないことを見越してロングスパートに入った時に、かなり離されていた後続はさらに長いロングスパートを選択せざるを得なくなったこと。そしてそれはオルフェーヴルにとって最悪の選択だったこと。
本質的にステイヤーではないと言われれば、まさにその通りです。まぁ気性の激しいステイヤーなんて見たことがなく、突き詰めると 3000m阪神大賞典 → 3200m天皇賞(春) というローテーション自体が間違いだったということになります。
そう、それは2006年のディープインパクトと同じローテーション。それを選択するのが当然だという風潮。
ある意味、オルフェーヴルはディープインパクトの幻影に敗れてしまったのかも知れません。
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しかし今回の天皇賞(春)、3コーナーでビートブラックとの差はざっと見積もって30馬身ほど。たとえばビートブラックが菊花賞サダムパテックぐらいの走りを見せるなら、オルフェーヴルがどれだけの脚を使おうとも届く道理がないということになります。
予想文にも書いたのですが、 「能力的に強い」 ということと 「死角、弱点がない」 ということは同列に考えてはなりません。阪神大賞典でナムラクレセントを交わして先頭に立った時、そのままロングスパートの形に持って行ったとして、それでも勝てていたのか? あの歴史的アクシデントがなくてもオルフェーヴルが負けていた可能性、それについて考えた人はあまりいないように感じていました。
■天皇賞(春)2012 ラップタイム
13.0-11.6-11.3-11.7-12.4-11.9-11.9-12.7-12.7-12.7-12.1-11.9-11.4-11.7-12.3-12.5
ラップギア △3△6△2 消耗戦
しかしビートブラックには恐れ入りましたね。単勝1.3倍の馬が折り合いに専念して最後方、他馬陣営の意識が4コーナー手前まで後ろに向いていたことがあるにしても、道中一度も緩まない、決してスローではないペース。それでいてラストの2ハロンを12秒台でまとめたのは立派なことでしょう。
「12秒3−12秒5」 、もしこれが 「12秒5−13秒1」 だったらゴールデンハインドのように後続に飲み込まれていたわけで、20年ほど前までのステイヤーを髣髴とさせるラップタイム。サンデーサイレンス産駒の登場以前、春の天皇賞はスタートからゴールまで、ほとんどずっと 12秒0 〜 12秒5 が続く感じのラップタイムでした。
後続は後続でスローペースの競馬をし、さらに1番人気オルフェーヴルは瞬発馬が一番やってはいけないロングスパートで末脚を失くす形。阪神大賞典で最後 ギュスターヴクライと同じ脚色になってしまった辺り、オルフェーヴルが末脚に持続力のある馬でないことは明白でした。末脚に持続力のある馬なら阪神大賞典はもっと際どい勝負、あるいは勝てていたはずですし、逆に3歳時は瞬発力不足で勝てていないG1があった可能性も。
適性とはそういうもの。
結局、大逃げの形になった2頭に、後続が幻惑されっぱなしだったということですね。ゴールデンハインドとビートブラックが、決してペースが速くはないことを見越してロングスパートに入った時に、かなり離されていた後続はさらに長いロングスパートを選択せざるを得なくなったこと。そしてそれはオルフェーヴルにとって最悪の選択だったこと。
本質的にステイヤーではないと言われれば、まさにその通りです。まぁ気性の激しいステイヤーなんて見たことがなく、突き詰めると 3000m阪神大賞典 → 3200m天皇賞(春) というローテーション自体が間違いだったということになります。
そう、それは2006年のディープインパクトと同じローテーション。それを選択するのが当然だという風潮。
ある意味、オルフェーヴルはディープインパクトの幻影に敗れてしまったのかも知れません。
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